私は以前、断れない人でした。
仕事でも、プライベートでも。
愛する夫に対しても、子どもに対しても。
「断る」という行為は、悪いことをしているような気がしていました。
・期待に応えたい
・嫌われたくない
・無能だと思われたくない
・一度断ったら二度目は無いかもしれない
色々な理由がありますが…
まずは、人間関係の不安で断れない。
あとは、「本当はムリだけど、優秀だからやればできちゃうんだよね。」と、無理がきく自分ってスゴイって思ったりもしていました。
でも
断れない本当の原因は「自分のことをわかっていない」です。
自分の本当の可能性も、感情も、生きる目的も、価値観も把握していない。
何が得意で苦手か、把握していない。
誰と一緒にいたいのか、どんな時間を過ごしたいのか。
何の仕事を優先したいのかも、わかっているようでわかっていない。
こだわりも偏見もありまくるのに、肝心の「自分の芯」があるようで、無い。
常に、他者から評価を気にしている。

マインドフルネスで自分をひたすら観察していくと、自分がどんなことに感動したり嫌悪したりするのか、アリアリとわかってくるようになります。
たとえば…
苦手な人の「良いところ」を一生懸命に探すのは、自分の心に負担がかかるので、やめてみます。
その代わりに、なぜ苦手に感じるのか、自分の価値観を探るようになりました。
そうすると、「私は◯◯なことに嫌悪を感じるんだな」と自己理解が深まって、自分らしさが見えてきます。
自分らしさが見えるようになると、苦手な人を悪人認定しなくなります。
「違う村に住む人」程度の認識になります。
そんな感じで、自分の価値観を認めていくと、自然と「社会的な模範生」を演じるのをやめられるようになってくるんです。
不思議ですねえ。
そうして、いつのまにか、「断れる人」になります。
自分のことがわかっていないと、努力・忍耐・根性でなんとなく丸ごと依頼を受け入れちゃって自滅する、なんてことに。
自分がどんな人間かわかると、能力や限界、得意不得意が明確になります。
物事の優先順位を決められるようになります。
要不要の取捨選択ができるようになります。
「◯◯はできますか」と言われたときに、どの部分にどれだけ貢献できるか、応えることができます。
結果的に、できないことがあっても、信頼されます。
