谷川俊太郎『捨てたい』

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ゆみ

私が手帳に大切に保管している谷川俊太郎さんの詩がありまして。

私はネックレスを捨てたい
好きな本を捨てたい
携帯を捨てたい
お母さんと弟を捨てたい
家を捨てたい
何もかも捨てて
私は私だけになりたい

すごく寂しいだろう
心と体は捨てられないから
怖いだろう 迷うだろう
でも私はひとりで決めたい
いちばんほしいものはなんなのか
いちばん大事なひとは誰なのか
一番星のような気持ちで

『捨てたい』谷川俊太郎 2009年 朝日新聞

この詩は、断捨離や全捨離、捨て活の極意だと思いませんか?

モノを捨てて何かを変えたいと思っている人は、きっと、色々なことを背負いすぎていたり、やるべきことに圧倒されて、本音を隠している方も多いのではないでしょうか?

良い子であろうと思ったり

本音を言えない性格であったり

自信が無かったりして

そもそも気力が無かったり

「本当はこう生きたいけれど・・・」とモヤモヤを抱えていないでしょうか?

「親がこう言うから」

「期待に応えたいから」

「理想の自分でありたいから」

「今の状況では選択肢が無いから」

じゃあ、自分の心はどこに?

置き去りにされ、扉の奥深くにしまって鍵をしめてしまった自分の本音は、思い出すのが本当に大変。

色々なことを抱えすぎているときは、自分の気持ちが直感による本音なのか、考えて作り出した考えなのか判別つかない状態です。

けれど、何もかも捨てて自分だけになったとしたら、本当に大切にしたいことが見えてくるかもしれません。

一番星のような気持ちで自分の大切なものを決めよう

私の場合、モノを捨てながら実家の母の顔が何度も浮かびました。

「それ、捨てるの?」と言われているような気がしたのです。

無意識の中に、親が存在したのは驚きでした💦

「親はこう言うだろうな。がっかりさせるかもしれない。でも、私はどうしたい?」と何度も自分に問い続け、捨てると判断する作業は心がえぐれるようでした。

親に対する申し訳ない思い。

良い子でいられない後ろめたさ。

自分の本音で生きる怖さ。

頭痛がしたり、口内炎が沢山できたり、胃が痛くなりました

でも、私は詩の中の『何もかも捨てて 私は私だけになりたい』を諦めませんでした。

そうして見えた世界は、素晴らしいものでした。

「私には素晴らしい家族がいて、必要なものは全てあり、不足しているものは何もない。」と心から思えるようになったのです

そう思えたら、物欲は激減しました。

漠然とした不安も激減しました。

「私は、自分の家族と共に、旅するように生きよう。」

それが、私の捨てて捨てて捨てまくった私の到達したゴールです。

残念ながら、谷川俊太郎さんのこの詩は、朝日新聞に寄稿された作品で、書籍には編纂されていないようです。私の手帳に挟まった黄ばんだ新聞紙はどんなに捨て活を繰り返しても、変わらず大切な宝物です。

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