セルフメディテーションをして『ゾーンに入る』状態になると、それはそれは心地の良い静かな闇の中に浮かぶことができます。
セルフメディテーションの詳しいやり方はこちらをご参照ください。

静寂で幸せの空間『ゾーン』
『ゾーン』での不思議な感覚
目を閉じて自動思考を手放していくと何も思い浮かばない静かな『ゾーン』に突入することができます。

『ゾーン』ではどんな体験ができるの?
座っているのに、まるで宇宙やプールに漂っているような不思議な感覚。
顔は正面を向いているはずなのに、闇の四方八方を自由に見回すような感覚。
顔の皮膚が無いように感じ、空間に溶け込んで自分との境目がわからなくなる感覚。
まるで温泉に浸かって『はぁ~』とリラックスできるような感じでもありますし、赤ちゃんに戻って羊水に浮かんでいるような感じでもあります。
『気持ちいいなあ』と感想は持てますが、自動思考は止まったままです。
そこには怒り、恐れ、不安、悲しみ、エゴや虚栄心が無く、かといってドキドキや興奮もありません。
ひたすら静かで平穏で平和なのです。
脳が鎮まっていることが実感できます。



『瞑想ができているかわからない』と多くの声を聞きますが、自動思考が止まっているかどうかをひとつの目安にすると良いと思います。
『ゾーン』で記憶が整理される


ゾーンに入れたにしばらくボンヤリしていると、ふと、亡くなった祖父が数十年前にしてくれたことを思い出して涙が出ることがあります。ひとしきり泣いた後は心が生まれ変わったように心がスッキリするのです。
大嫌いな人が自分の為にしてくれたことがフッと思い出されて『そんなこともあったか・・・忘れてたなぁ』と気づくこともあります。
ゾーンの中で感じることもあれば、瞑想を終えて家事をしている時にフッとイメージが降りる瞬間もあります。



ゴミゴミとした不要な記憶か感情が抑えられ、自分の幸せに必要な記憶や感情が優位になる感覚です。
『ゾーン』に入るまでの時間
『ゾーン』に到達できるまでの時間は15分ほどで到達できる日もあれば、1時間かかってしまうことがあります。
心配事がたくさんあったり、パソコンで作業し続けたり、悲しみや怒りなど感情を揺さぶられることが多い日は、自動思考がマグマのように溢れて時間がかかります。
時間がかかっても大丈夫です。
「頭をたくさん使ったね」と自分に声をかけてあげましょう。
ただ、自動思考に主導権を握られないようにだけ中止してください。
自動思考が消えるのを待つというより、積極的に放り投げたりホームランを打ったり、川に流して手放すのがコツです。
どうしても自動思考が途切れない場合や、音楽が無限ループで脳内再生してしまう場合は呼吸の音と呼吸の鼻から体へ流れる道筋に集中しましょう。



『ゾーン』に入れないと瞑想の意味は無い?



大丈夫です。
『ゾーン』に入れなくても、瞑想を続けることで感情のふり幅が小さくなるので、落ち込んでも回復しやすかったり、精神的なストレスを受け流しやすくなります。
『ゾーン』で『私は私ではない』ことに気づく
『ゾーン』に入ると、そこには何もないことに気づきます。
上も下も右も左も無く、『私は私だ』と信じていた認識すらわからない状態になります。
『私は私だ』という認識を飛び越えて『私は何者でもない』という境地に到達するのです。
『私は社長だ』
『私は高学歴だ』
『私は母親だ』
『私は不幸だ』
『私は病気だ』
『私は男だ』
『私は女だ』
『私は中学生だ』
このような認識は『ゾーン』の中では意味を成しません。
『ゾーン』の中では『何者でもない自分』に出会えます。
女でもないし男でもないし漁師でもないしアイドルでもありません。
職歴も学歴も家族も生まれも関係の無い、むき出しの自分自身を知ることができます。
『何者でもない』と気づいた瞬間に、あらゆる『〇〇だから〇〇すべき』の窮屈さから解放されます。
そして、『私は〇〇だ』という認識の傲慢さから解放されるのです。
『私は不幸だ』と思うのは『私は社長だから一番偉い』と思うのと同じくらい傲慢なんです。



ちょっと何言っているかわからない。



瞑想を続けると、感覚的に理解できる日が必ずきます。
『私は〇〇である』に固執することはあらゆる苦しみを産みます。
- 嫁として夫の両親の期待に応えるべき。だから・・・
- マネージャーとして部下を管理する。だから・・・
- 私は受験生である。だから・・・
- 私は女性である。だから・・・
- 僕は40代である。だから・・・
- 私は病気である。だから・・・
- 私はHSPである。だから・・・
人は無意識に『私は〇〇だ』という状況を言い訳にして、本当の自分の姿を見ようとしないのです。
だから、『私は〇〇だ』という認識は傲慢なのです。
静寂なゾーンで本当のあなたを見つけよう
『本当のあなた』というのは、自己分析をして『私はこういうことが得意で、こういう特性がある』と理解することでもなく、『自分はこうなりたかったんだね、ヨシヨシ』と慰めることでもありません。
瞑想をして『ゾーン』に入れた時に感じられる『自分』は何者でもありません。
評価も属性も優劣も個性も何も関係ない『本当のあなた』がそこにはあります。
それは単純なエネルギーのかたまりのようなものです。
よく、『魂』とか『真我』とか『エネルギー体』と呼ばれるものでしょうか。
その『魂』とか『真我』と呼ばれるものには上下左右、美醜、優劣がありません。
ただ、そこに静かに存在しているのです。



存在に気づいた時は本当に驚きました。
修行した僧侶や霊感がある人、スピリチュアルなパワーがある人のみが到達できる領域だと思っていたのに、エゴまみれの普通の主婦でも『自我がない自分』を体験できました。
こんな私でもできたのだから、誰でも心(脳)の静けさを手に入れ、本当の自分を知り、絶対的な安心感を得ることができると確信しています。